カンチャナブリ

この日の朝食には、昨晩から楽しみにしていた、カオサンの屋台で購入したカボチャをくり抜いた中にココナッツプリンを詰めたお菓子(1/4カット)を食べた。ココナッツプリンの甘すぎる味付けと、カボチャの素朴な甘味が、口の中で一緒になってちょうどいい塩梅だった。そしてなによりも、かぼちゃの味とココナッツの味が口の中で一緒になるとこんなに美味しいものになるんだ!と、感動した。

帰りの飛行機が明朝2時という妙な時間なので、ゲストハウスのロビーに今晩まで荷物を預けることにして、チェックアウトした。

昨晩、この日はミャンマー側の郊外都市まで、電車の旅をすることに決めたので、まずは川の向こうの電車の駅を目指して、ゲストハウスから歩いて5分ほどのボート乗り場に向かった。

「チャオプラヤ川」といえば、社会の時間に出てきた浮き稲の栽培をしている川なのだけど、実際に見たチャオプラヤ川は、バンコクの大都会を流れており、そこを行き来するボートは通勤客を乗せた路線バスのような雰囲気だった。実際にその様な役割を果たしているんだろう。

それから対岸に渡り、ボートを降りた。ボート降り場近辺には大きくてきれいな病院があり、そこに通勤する人の流れがすごくて、通勤客向けの朝食用のお弁当の屋台もまたたくさんあった。なんとなく何かを買いたくなって、電車の中で食べようと思い、カオマンガイのお弁当を購入した。

ボート降り場から歩いてすぐのはずの電車の駅がなかなか見えず、暫くうろうろしていたんだけど、結局地球の歩き方で調べておいた発車時刻をとっくに過ぎてしまったので、長距離バスで目的の「カンチャナブリ」に向かうことにした。

ボート降り場から歩いてすぐのはずの電車の駅がなかなか見えず、暫くうろうろしていたんだけど、結局地球の歩き方で調べておいた発車時刻をとっくに過ぎてしまったので、長距離バスで目的の「カンチャナブリ」に向かうことにした。

バスの中でお弁当を食べようとしたら、お箸がなくて、随分困った。随分とお箸の代わりになるものを探してみたけどなかったので、最終的にお箸なしで食べる覚悟を決めてお弁当を開けたところ、お弁当の中に透明で持ち手がごく小さな使い捨てのレンゲがご飯に半分埋もれる形で入っていた。無駄な徒労だった。そしてカオマンガイは辛かった。

2時間ほどバスに乗り、カンチャナブリのバスターミナルに到着した。 降りた景色は、テレビで見るような「ずばりタイ、ずばり東南アジア」で、日本人が東南アジアに抱くステレオタイプなイメージそのもの、といった場所だった。





バスセンターから川沿い方面に古い町並みがあるそうなので、そちらに行ってみようとしたものの、最初間違えて逆方面に行ってしまった。ちょっと行ったところですぐに気が付いて戻ったけど、そのお陰で、ちょっとだけタイの地方都市の街並みを拝見できた。床屋さんとかしまむら的な衣料量販店とかフードコート的な建物とか謎の人形屋さんとか。

お腹は空いてなかったんだけど、この焼きバナナの移動販売が気になって、焼きバナナを買うついでに道を尋ねたことで、道を間違えたことが発覚したんだった。

焼きバナナを食べながら言われた通りに歩いていたら、古い家並みが立ち並ぶ通りに出て、ちゃんと川にも辿り着けた。
あんまり古いって感じじゃないけど。
川には団体客向けっぽいレストランとか観光客向けのおしゃれカフェなんかがたくさん浮かんでいた。



再び地図に古い町並みと書いてあった通りに戻り、電車の駅の方向に向かって歩いた。通りに面しているので商店なんかが多いわけだけど、売り場の奥を覗くとベットがあるお店が多くて、昼寝をしている人も1人ではなく見かけた。
タイと同じ亜熱帯気候である奄美出身の人が、奄美では午前中に働いて、昼は暑いから昼寝してたって言ってたことを思い出した。冷え性もないだろうし、野菜やフルーツをたくさん食べるし、毎日朝から働いて昼寝をして、健康的な生活が送れるんじゃないかな?と思った。
こちらは建物の前に案内看板が設置してあり、築90年程の古い建物だと書いてあった。1階にはその辺の商店とはちょっと違いすぎる、中華風のとてつもなくセンスのいい喫茶店があって、超気になりつつ通り過ぎた。
けど、結局Uターンして入店した。店内はとっても清潔で、隅々まで妥協点がないかんじだった。とにかく素敵なお店!




130円くらいでWifi使い放題でおしゃれでなカフェでおしゃれな飲み物をたっぷりサイズで頂けた上に、お店のお姉さんからごまつきのフライドバナナや、お姉さんが「一番おいしい」というバンコクで買ったクロワッサンやらを御馳走になって、常連さんとお話できて、お店に入ったのは大正解だった!




お店で知り合った常連客のチュクさんが、自分のバイクで案内してくれるというので、お言葉に甘えることにした。
まずはカンチャナブリのおそらく一番の観光名所であるクウエー川鉄橋に連れて行ってもらった。この鉄橋はかつて第二次世界大戦中に日本軍が設置したもので、自分は昨晩カンチャナブリのことを調べていて初めて知ったのだけど、帰国後ここに行ったことを話した66歳の父は普通に知っていた。父は決して博識ではなく、プライベートでさえ地元を出ない人なんだけど、父の世代では一般常識のような場所なんだろう。世代の差を感じた。
鉄橋は普通に使用されているはずなんだけど、大勢の観光客が普通に歩いていた。チュクさん曰くここはタイの学校の修学旅行の定番らしく、実際に学校行事で来たようなお揃いのジャージを来た若人集団もぞろぞろ歩いている光景を見た。学校行事で現在も使用されている鉄橋に立ち入るってすごいな。鉄道上にマーケットもあるような国だし、線路上とそれ以外の場所にあまり特別な差異の意識を持たないお国柄なのかなと思った。

鉄橋を渡ったところにある、巨大な中国風のお寺も見物した。カフェもカフェのお姉さんも華僑のようだったし、チュクさんもお父さんが中国人だと言っていたし、華僑の人が多いまちだと伺った。
鉄橋でもお寺でも、チュクさんがたくさん写真をとってくれた。ほとんどすっぴんだったのだけど。








再び鉄橋を渡り戻っているところ。
戻った先にSL電車があって、ここでもチュクさんにいっぱい写真を撮ってもらった。


それから駅まで送ってもらって、何かお礼をと思い、「喉乾いていませんか?」と尋ねたら、「あなた喉乾いているの?」と逆に聞かれて、発車時刻まで20分程度だったのだけど、「大丈夫だから」と言われて再びバイクでカフェに戻った。カフェまでバイクで5分くらいかかった気がするけど、ギリギリすぎないか?と思ったけど、バスもあるのでカフェに戻ったのだった。
カフェに戻ってチュクさんがお手洗いに行っている間にお姉さんにチュクさんの味の好みを聞いて、自分とチュクさんの分の飲み物を注文した。ついでに「この時間の電車に乗りたいのだけど大丈夫か?」と聞いたら、「大概遅れるから大丈夫だ。」と言われて、そうか、こちらではそういう事があるんだ!と心得た。

お姉さんにそろそろ出た方がいいんじゃない?と言ってもらって、再びチュクさんのバイクで駅まで送ってもらうことになったのだけど、駅に戻る途中にチュクさんがここも見ておいてという公園のようなお寺に連れて行かれて、大丈夫なのか?と思った。だけど、ちゃんと無事に駅まで連れて行ってくれた。更に電車はまだ来ていなかった。駅に着いた時点で時刻表よりも25分遅れていて、そりゃ、現地の人はあの時間に駅に人を連れて行ったりしないよな、と思った。

駅の売店で売っているアイスを眺めていたら、チュクさんが買ってくれた。そんなに物欲しげに見ていたつもりはないんだけど。。ご厚意は喜んで受け取った。スイカバーみたいな方のアイスを食べたのだけど、味がそのまんまスイカバーだったのには驚いた。
それから、チュクさんが「記念に」といってお土産用のセンスも買ってくれた。えええ!?なんでこんなにもてなしてくれるんだろう??(もう騙すタイミングはないのに)って思ったけど、ご厚意は喜んで受けとった。

カフェに入店して本当に大正解だった。

待ちに待った電車がホームに入ってきたところ。目の前で電車の写真を夢中で撮っている女の子がチュクさんに当たってしまい、とびきりの笑顔で「ごめんね」と声をかけてきたことで、この子と一緒に電車に乗ることになった。
電車の中から、2人でチュクさんにお別れをしているところ。チュクさんはこちらの写真をとっていた。
インドネシアから来たというナフィさんとは、バンコクまで4時間くらい一緒に電車に乗っていたのだけど、マシンガントークが凄かった。そんなに難しい会話はしていないと思うけど、正直3割くらいわかんなかった。4時間みっちり英会話のレッスンを受けているようなかんじだった。

首から下げているキャノンの一眼レフで窓から見える景色をバシャバシャ撮りまくっていた。途中で雨が降ってきては窓を閉め、雨が上がっては窓を開け、を繰り返しながら、今回の旅行で行ったところや、互いの国の気候のことや、宗教のことなど、色々な話をした。
ジャカルタで一人暮らしをしているナフィさんは、面倒だからという理由で地元の両親には今回の旅行の事は内緒だそうで、こういうのってどこの国でもありうることなんだなと思ったのことと、
自分がココナッツが大好きだという話をしたら、ナフィさんの実家のまわりにはココナッツがたくさんあるからおいでよ!と言われたことが印象に残っ話題だった。
ナフィさんのカメラで変顔を撮り合ったりもした。変顔は国境を超える。



ずっと横にのっていたおばちゃんと何かの拍子でしゃべりはじめたナフィさん。おばちゃんはラオス出身で、現在はアイルランド人の旦那さんとイギリスに住んでいるのだそう。なんでこんな人がこんなところに!?おばちゃんも旅行が大好きみたいで、インドネシアはとにかく花がきれいだから行ってみなさいと言われた。

終点であり目的地のバンコクの駅に着いた頃には、すっかり日が暮れていて、おまけに雨もザーザー降っていた。残念ながら傘はもっておらず、雨合羽はカオサンのゲストハウスに預けているスーツケースの中だった。ブブカの上に麦わら帽子を被っていたナフィさんが帽子を貸してくれた。
カオサンの友人の家に行くというナフィさんとは目的地が一緒だったので一緒にタクシーに乗ろうね、という話をしていたのだけど、カオサンまで行く船着き場まではおばちゃんも行先が一緒だったため、ラオス出身のおばちゃんと、もう一人写真には写っていなかった顔立ちがインド人風のおばちゃんの連れのおばちゃんと4人でタクシーに乗ることになった。
タクシーを降りたところで、おばちゃんが全額私たちが持つから、と言って、ナフィさんと2人で全力で遠慮したものの、結局おばちゃんたちのご厚意に甘えることになった。
おばちゃんたちとは、人と車でごった返す船乗り場の手前の雑踏で、船に駆け込んでいかれてしまったため、雑な形でお別れしてしまうことになってしまった。

さて自分たちはどの船にのるか?というところで2人も迷ってしまったので、結局再びタクシーを探すことにした。タクシーが拾えそうなところまで歩く途中でナフィさんがちょっとも迷わずスイーツの屋台に立ち寄り、注文しはじめたので、自分もその流れで注文することになった。豆やトウモロコシなどを甘く煮たものや、カラフル寒天などの具材の中から1つを選ぶと、それとココナッツミルクを一緒にビニール袋に入れて渡してくれるというものだった。
20BTの代金を払おうと思ったら500BT1枚しか財布になかったので、これを差し出したところ、つり銭がないと言われてしまい、そこを空かさずナフィさんが払ってくれることになった。

ナフィさんは明るくてとにかくよく喋るのだけど(たとえ流暢に英語をしゃべれない相手にだろうと)、「こんにちは(サワディッカ)」と「ありがとう(コップンカ)」を必ず話しはじめと別れ際に現地の言葉で言っている姿を見て、一週間ほどタイにいて、はじめて「ありがとう」と「こんにちは」をタイ語でこんな風に言うんだ、と知ったことに反省した。
今度から、最低限「こんにちは」と「ありがとう」という言葉は現地語を覚えた上で海外に行こうと思った。

タクシーの中で、はじめて袋入りの液体物を食べることに苦戦したのだけど、ナフィさんは慣れた手つきで同じものを食べていた。
このスイーツの代金や帽子を借りたお礼に、ナフィさんに「タクシー代は全部自分が持つよ。」と言うと、全力で遠慮されたけど、きっともうお礼ができるタイミングはないと思ったので、払いとおした。

タクシーを降りて、カオサンの通りで今回の旅行の目的でもあった、シンガポール人の友人のダニエルさんがタイ旅行に行った際にインスタにUPしていたココナッツアイスをやっと発見したので、袋詰めのスイーツを食べたばかりだけど注文することに。観光地×このおしゃれなデコレーションということでお値段はさっき食べた袋詰めのスイーツの倍の40BTもしたんだけど、ナフィさんも付き合ってくれた上に、タクシーのお礼だと言って奢ろうとしてくれた。
これじゃ本当に元も子もないので、ナフィさんから無理矢理渡された40BTをナフィさんが背負っていたリュックに押し込んだ。
ナフィさんは「じゃあゲストハウスまで送っていくね。」と言ってくれて、互いの国に行くことがあれば連絡することを約束して、ゲストハウスの前で別れた。

海外行くと騙し取ろうとして来る人に用心することばかり考えてしまうし、それって基本的な注意事項かもしれないけど、そんな人ばかりじゃないんだと知って、心温まった日だった。。

21:00頃にゲストハウスで荷物を受け取って、空港線に乗るためパヤタイ駅までタクシーで移動し、パヤタイ駅の傍の屋台で朝食用にパッタイを購入して、それでも翌日明朝の2:30の飛行機まで時間があったので、電車を途中下車して近くのバーで時間を潰すことにした。
ビールはすぐにお腹いっぱいになってしまうので、普段最初の一杯以外ではあまり注文することはないのだけど、せっかくタイに来たのだから、Singhaのビールを注文して、死にかけの携帯を充電させて、Wifiを使って過ごした。
空港に着いて、免税店で仕事先(複数)などへの箱入りのお土産やお酒やらをまとめて購入したのだけど、免税とはいえ空港では何でもそもそもが高くて、空港だけで5000円くらい使ってしまった。。
現地での滞在費は、移動費・宿泊費・食費・お買い物費用を一通り含めて平均5000円くらいだったし、スーパーでかごいっぱい気になる食品を購入して1200円そこそこだったから、空港でお買い物はするもんじゃないなと思った。

旅行の忘備録

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